《宅建過去問題》令和元年(2019年)問4[不法行為]

にほんブログ村 資格ブログ 宅建試験へ にほんブログ村 資格ブログ 不動産・建築系資格へ
にほんぶろぐ村 宅建試験 ブログランキング参加中!

【R01-04 問題】
不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

[1] 放火によって家屋が滅失し、火災保険契約の被保険者である家屋所有者が当該保険契約に基づく保険金請求権を取得した場合、当該家屋所有者は、加害者に対する損害賠償請求金額からこの保険金額を、いわゆる損益相殺として控除しなければならない。
[2] 被害者は、不法行為によって損害を受けると同時に、同一の原因によって損害と同質性のある利益を既に受けた場合でも、その額を加害者の賠償すべき損害額から控除されることはない。
[3] 第三者が債務者を教唆して、その債務の全部又は一部の履行を不能にさせたとしても、当該第三者が当該債務の債権者に対して、不法行為責任を負うことはない。
[4] 名誉を違法に侵害された者は、損害賠償又は名誉回復のための処分を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し侵害行為の差止めを求めることができる。



 


【R01-04 解答】
[1] 誤り
三者不法行為または債務不履行により家屋が焼失した場合、その損害につき火災保険契約に基づいて家屋所有者に給付される保険金は、第三者が負担すべき損害賠償額から損益相殺として控除されるべき利益にあたらない(最判昭50.1.31)。
[2] 誤り

被害者が、不法行為により損害を受けるのと同時に、同じ原因により損害と同質性のある利益を受けた場合には、その額が加害者の賠償すべき損害額から控除されることがある(損益相殺、最大判平5.3.24参照)。
[3] 誤り
債務者を教唆した第三者は、当該債務の債権者に対して不法行為責任を負う(大判大4.3.10)。
[4] 正しい
名誉を違法に侵害された者は、損害賠償のほかに名誉回復のための処分(民法723条)を求めることもできる。さらに、人格権としての名誉権に基づき、現に行われている侵害行為を排除し、または将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることもできる(最判昭61.6.11)。

正解 [4]