《宅建過去問題》令和元年(2019年)問1[物権変動]

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【R01-01 問題】
Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

[1] 甲土地を何らの権原なく不法占有しているCがいる場合、BがCに対して甲土地の所有権を主張して明渡請求をするには、甲土地の所有権移転登記を備えなければならない。
[2] Bが甲土地の所有権移転登記を備えていない場合には、Aから建物所有目的で甲土地を賃借して甲土地上にD名義の登記ある建物を有するDに対して、Bは自らが甲土地の所有者であることを主張することができない。
[3] Bが甲土地の所有権移転登記を備えないまま甲土地をEに売却した場合、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができる。
[4] Bが甲土地の所有権移転登記を備えた後に甲土地につき取得時効が完成したFは、甲土地の所有権移転登記を備えていなくても、Bに対して甲土地の所有権を主張することができる。


 


【R01-01 解答】
[1] 誤り
甲土地の不法占有者Cに対して、Bが甲土地の所有権を主張するために登記は不要である(最判昭25.12.19)。
[2] 正しい
甲土地の賃借人Dが対抗要件借地借家法10条)を備えているので、AからBへの甲土地の譲渡によって、Dの賃貸人たる地位がAからBに移転する(民法605条の2第1項)。この場合、譲受人Bは、甲土地の所有権移転登記を備えなければ、Cに対して甲土地の所有者である旨を主張できない(最判昭49.3.19、民法605条の2第3項)。
[3] 正しい
本肢は「A→B→E」と順次譲渡されており、AとEは前主と後主の関係に立つので、EがAに対して甲土地の所有権を主張するのに登記は不要である(最判 昭39.2.13)。
[4] 正しい
本肢のBは「時効完成前の第三者」なので、時効取得者Fは、Bに対して登記がなくても甲土地の所有権を主張できる(最判昭41.11.22)。

正解 [1]